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月一回掲載。書かない月もあります。

2021年5月

今日は悪い夢を見てしまった日で、1週間後に自作のピアノ曲を自演する演奏会が控えているにもかかわらずここ数ヶ月ピアノに触れられていないどころか、未だ少しも作品を書き始められていないという状況に追い込まれてしまい、非常に焦ったのだが、それでも即興演奏に自信のない僕は地道に楽譜を書くしかなく、曲の断片的なアイデアを構想していたところ、留学中の現在そもそも人前で演奏をすることがなくなっており、締め切り1週間前になってようやく焦り出すような経験もないと思い至り目が覚め、このあまりふだん見ない夢を思い返しつつ、せっかくなので考えていたアイデアを忘れないようにメモしておいた。気づけばもうすぐ6月で、1年目の勉強が終わろうとしている。このあっという間感は、昨年9月以来今月を含め4回しか更新されていないこのブログにも表れているかもしれない。初めこそ生活の色々な場面でエネルギーが必要で大変だったものの意外と1、2ヶ月で慣れてくるもので、ロックダウンが始まってからは特別うれしいこともつらいこともなく、あまり起伏のない生活だった。よく言えば無事に過ごせたということか。とはいえ今月行われた室内楽作品の録音はとても印象に残る体験で、自分の作曲を省みさせられた。ずいぶん久しぶりだったので忘れかけていたけれど、作曲はこういう反省の繰り返しである。目指そうとしていた表現に少し届かなかったのは、書き方の問題なのか、形式の問題なのか、リハーサルの問題なのか、録音スケジュールの問題なのか、そもそも思い描いていたのは絵空事だったのか・・・。反省すること自体簡単ではないが、とにかく課題が残ったという事実と、それでも一応は無事に終えられたという安堵、それから海外で作品を演奏してもらうという夢を、録音という形であれ叶えられたという感慨がないまぜになって、うまく咀嚼できないけれど、ひとことで言えば充実していた、という話である。